『RAILWAYS』その3
2010-06-10


この映画は、人の心のあるべき姿についての思い巡らしの材料をたくさん与えてくれる、本当に優れた作品だと思います。

 きょう思ったのは、「人の心はギョウザの皮だ!」ということです(笑)

 『RAILWAYS』で心に残ったシーンの一つに、淡々と運転業務をこなす主人公の姿を映しているシーンがあります。そこには特別なドラマはなく、ある意味で無表情と言えるくらい普通の顔をして電車を運転していますが、その表情の奥には少しも波立っていない平和な心が見えます。

 こうして穏やかな心で淡々と鉄路を行ったり来たりする姿に、私はギョウザの皮を広げる麺棒を連想しました ^^

 こうして穏やかに田園風景の中を行ったり来たりしているうちに、主人公の心は次第に薄く・広く延ばされていきます。

 東京にいる時の会社人間の彼の心は、水の入っていない小麦粉のように乾燥していました。しかし、ふるさとに戻り、心に水が注がれました。そして、運転業務を重ねて行くうちに次第に、彼の心の薄く延ばされていきました。

 水が注がれたばかりの小麦粉の心は潤いを持ち、軟らかくなったとは言え、まだ球状の自己中心の塊りのような心です。
 しかし、麺棒で広げられるうちに、へりくだった心、そして広く優しい心を持った人間に変えられていきました。
 その薄く広い心は、完全に故郷の大地に密着しています。
 そして、延ばされれば延ばされるほど、自己中心の我流の個性とは異なる、人が本来持つ人間らしい個性が広げられていきます。

 私の心も、こんな風に薄く広く、延ばされていきたいと願っています。
[映画]

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