三軒茶屋中央劇場
2006-03-15


佐々部監督の『カーテンコール』を三軒茶屋で上映中というので見に行ってきた。
 劇場の中に入ると、客席や舞台の作りが『カーテンコール』に出てくる「みなと劇場」にそっくりなので、びっくりした。もぎりのお兄さんに「みなと劇場にそっくりですね」と言ったら、「実際に『カーテンコール』の撮影にも少し使われたそうです」と言っていた。そういう話は初耳だ。本当だろうか???
 『カーテンコール』の鑑賞はこれで15回目となった。これまでに試写で3回、下関で2回、新宿で4回、上野で1回、銀座で2回、船堀で2回見た。15回目でも、やはりラストの鶴田さんの泣き笑いと井上さんの笑顔には涙が出た。
 さて、この上映は『空中庭園』(小泉今日子主演)と2本立てだった。こちらはそれほど見たいとも思わなかったのだが、小泉今日子はけっこう好きだし、日本映画の勉強にもなると思ったので少々我慢して見ることにした。果たして、私には全く合わない映画だった。カメラワークの点では意欲作と呼べるのだろうと思うが、肝心の内容についていくことができなかった。学生時代に良く見た、日活ロマンポルノの2本立て、3本立てのつまらない方の映画の作風に似ていると感じた。舞台にラブホテルが多用されている点も良く似ている。しかし、『空中庭園』には特に裸の場面はないので、これならエンターテインメントという点から言えば、見せるものをちゃんと見せている日活ロマンポルノの方がまだマシなのではないかと思った。日活ロマンポルノには芸術性が高い映画が少なからずあったという評価があり、『空中庭園』も芸術面でその流れをくんでいるのかもしれない。しかし、過去にいくら高い評価があったとしても、それは日本映画が低迷していた頃の評価でしかないのでは、と『空中庭園』を見て思った。
 ここ何年かで劇場で見た日本映画では一番つまらなかった(ただし、チル友の一人は結構よかったと思ったそうです)ので酷評してしまったが、他の映画と比較する物差しが増えたという点では良い勉強になった。
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