『風と共に去りぬ』
2006-03-12


昨晩、NHKのBS2で放映していたのを中休みの少し前ぐらいから見た。面白かった。
 この映画を初めて見たのは、高校生の時、静岡の映画館で、だったと思う。この映画のいったい何が面白いのか、何でこんな映画が名作と言われるのか、さっぱり分からなかった。大学生の時に見た時も、同じような感想を持ったと思う。それから20数年。登場人物の感情のぶつかり合いや周囲の者たちの様々な人間模様を楽しめるようになった自分自身の変化も面白いと思った。
 もう一つ関心が向いたのは、この映画が南北戦争の時代を描いたものであるということだ。札幌農学校の初代教頭(実質的には校長)W. S. クラーク博士が、南北戦争の時には北軍の大佐としてこの戦争に参加していたので、興味を引かれた。
 私は北大出身だが、学生時代はクラーク博士にそれほど大きな関心を持っていなかった。しかし教会に通うようになって以後のここ数年、この人物に大きな興味を持つようになった。クラーク博士は札幌農学校の1期生に信仰の種を蒔き、それが内村鑑三、新渡戸稲造ら2期生へと引き継がれて行った。
 クラーク博士はアメリカに帰国後は鉱山の経営に失敗して失意のうちにこの世を去ったということである。病床にあった最晩年、自身の波乱の生涯を謙虚に振り返り、札幌で過ごした短い期間に日本の若者に信仰の種を蒔くことができたことを、自身が人生で為し得たことの最上位に置き、懐かしく想い起こしていたとのことである。

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参考図書:
ジョン M. マキ著/高久真一訳
『W.S.クラーク その栄光と挫折』(北海道大学図書刊行会)
[映画]
[信仰]

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