特攻兵器と通常兵器のどちらが狂気か
2006-07-01


昨晩からネット上で見られるようになった『出口のない海』の予告編を繰り返し見ている。
 『出口のない海』の原作を昨年読んだ時、神風特攻隊が明るく思えてしまうほどに人間魚雷「回天」の暗さ・重苦しさに息苦しくなり、このような特攻兵器を考案し実行したことを狂気だと思った。
 しかし『出口のない海』の予告編を見ているうちに、「回天」はもちろん狂気の兵器ではあるが、どこか人間の血が通った、ぬくもりのある兵器のように感じられ、むしろ人の乗り込んでいない通常兵器の方が冷酷で残虐な兵器なのではないかという気になってきた。
 我々が殺人事件のニュースを見るとき、加害者を正気とは思わず、殺人は狂気の為せる業だと思うだろう。戦争による殺人も同様だ。通常兵器であっても特攻兵器と同様に狂気の凶器なのだと改めて思わされた。
 佐々部監督は4月27日の日記に「昨年からたくさん公開されている戦争をモチーフにした映画に比べると映像的には地味な作品と思いますが、戦争の怖さや愚かさは十分に伝わる作品になったように思えます。」と書いている。
 予告編だけでも戦争の愚かさが十分に伝わってきたこの映画をできるだけ多くの人に見てもらえるよう、私も宣伝に励みたい。

『出口のない海』公式HP
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