戦争記念館
2006-06-05


ソウル滞在の最終日、戦争記念館に行った。
 こういう記念館があることを、実は今まで知らなかった。ソウルの主要な観光スポットで、まだ行っていない場所がないかガイドブックを見ていてたまたま目に留まったので、行ってみることにしたのだ。

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 古代の武器の展示に始まり、三国時代、高麗と歴史順に主として戦争に使用した武器が展示してあった。李氏朝鮮の時代の豊臣秀吉による侵略戦や日本が韓国を併合するに至る戦い等もかなり詳しく展示してあった。

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 最も多くのスペースが割かれていたのは、朝鮮戦争で、開戦に至った経緯や開戦後の北軍の進攻、国連軍が参戦後の南軍の巻き返し、さらには中国が参戦後の北軍の再攻勢のことなどが詳しく展示してあった。  また、朝鮮戦争の休戦後の韓国軍のベトナム戦争への参戦や、PKO活動についての展示にも多くのスペースが割かれていた。  近代から現代にかけてのコーナーでは、本物の戦闘機やジープも屋内に展示してあった。

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 そして、これで終わりかと思いきや、屋外にはおびただしい数の戦車や射撃砲、軍用機が並べられている広場があって驚いた。

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 この屋外の展示スペースは無料なので、ここだけが目的で訪れている人も多いようだった。特に目立ったのが家族連れで、小さな子供が戦車やジープ、軍用機に乗り込んで喜んでいる様子を親がカメラに収めていた。

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 都心の交通便利な場所にこのような広いスペースを使って親子連れが気軽に行ける軍事関連の展示をしているのは、いまだ朝鮮戦争が終結していない、徴兵制の国だからなのであろう。無邪気に楽しむ子供たちを見て、この施設の大きな目的の一つに、徴兵に対する抵抗感を少しでも減らす狙いがあるのだろうと思った。PKOに派兵して国際貢献をしている展示スペースでは軍隊の必要性・重要性を強く意識させる作りになっていると感じた。
 気になったのは、高揚感を持たせ、好戦的な気分になるような展示に全体的になっていると感じたことであった。実際、私の心も少しばかり高揚してくるのを感じた。現実に北朝鮮と未だ戦争状態にあるこの国では、人をこのような気分にさせる展示は必要なことなのであろう。
 一方、我々の国はどのような道を選択すべきであろうか。憲法9条の問題、自衛隊の海外派兵の問題を我々が考える場合、決して高揚感の中で考えてはならず、冷静になって考える必要があるだろうと思った。
[韓国・北朝鮮]
[平和]

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